創業1年目から会計を制す!キャッシュレス時代の賢い仕組み作り

お役立ち情報
創業1年目から会計を制す!キャッシュレス時代の賢い仕組み作り
「1分あたりのデータ利用量」という中心の表示を中心に、様々なオンラインサービスやアプリの1分間あたりの合計データ利用量やユーザーの利用時間を示すインフォグラフィック。X(旧Twitter)、ポケモン スリープ、スマホ、ビジネスメール、ソーシャルメディア、オンラインゲーム、キャッシュレス決済、交通系ICカード、フードデリバリー、ChatGPT、LINE、TVer、メルカリ、出前館、Indeed・Glassdoor、お世話になっております(広告費)、Creepy Nuts Bling-Bang-Bang-Born、モンスターストライク、ネットスーパー、Tiktokといったサービスの統計が示されている。
日本における1分あたりのデータ生成量を可視化した「Data Never Sleeps Japan Editon」| 出典:ドーモ株式会社
これから事業を始めるあなたが、目まぐるしく変わるキャッシュレス時代を生き抜き、創業初期の会計業務でつまずかないための「シンプルな仕組み作りの秘訣」を具体的にお伝えします。この記事を読めば、情報とお金の流れを整理し、事業成長の土台を築くヒントが得られるでしょう。

1分間に何が起きている? デジタル時代の衝撃的な現実

私たちの日常は、気づかないうちに膨大なデジタルデータと共にあり、特にキャッシュレス決済の動きは創業において無視できません。なぜなら、お金の流れの速さと量が事業運営に直結するからです。例えば、Domo社が発表した「Data Never Sleeps Japan Edition」という調査によれば、日本国内ではわずか1分間にLINEの送信数が約57.9万件、そしてキャッシュレス決済が驚くことに約6.5万回も行われています (情報源: Domo社)。これほど多くの情報とお金が、私たちが瞬きする間に動いているという事実は、事業を始める上で、このスピード感に対応できる体制がいかに重要かを示唆しています。

「1分間のデジタル現実」の要点

1分間という短い時間に、LINE送信57.9万件、キャッシュレス決済6.5万回という膨大なデジタル行動が日本国内で発生しています。このデータは、現代社会の情報伝達と経済活動の速さを示しており、創業者にとって無視できない現実です。

キャッシュレス決済の波は、もはや避けて通れない道

キャッシュレス決済への対応は、これから事業を始める方にとって必須の準備と言えるでしょう。なぜなら、社会全体が急速にキャッシュレス化へ移行しており、顧客の支払い手段の主流になりつつあるからです。経済産業省によると、2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%を達成しました。さらに将来的には、キャッシュレス決済比率80%を目指し、環境整備を進めていく方針です (情報源: 経済産業省)。この流れは個人経営の小さなお店にも及んでおり、お客様が求める支払い方法を提供できないことは、機会損失に繋がりかねません。これからの創業では、キャッシュレス決済を特別なものではなく、業務の基本的な一部として組み込む視点が求められます。

「キャッシュレス決済の現状」の要点

最新の2024年データで、日本のキャッシュレス決済比率は42.8%に達し、政府目標を達成しました。将来的には80%を目指しており、この急速な普及は小規模事業者にとっても重要です。事業開始時からキャッシュレス対応を業務の基本とすることが成功の鍵となります。

複雑さを避けるカギは「減らす」勇気にある

では、創業時に具体的に何をすれば良いのでしょうか。その答えは、意外にも「加える」のではなく「減らす」ことにあります。便利なツールやサービスは数多く存在しますが、初期段階でそれらを無計画に導入すると、業務が複雑化し、かえって非効率になることが多いのです。例えば、キャッシュレス決済手段を主要な1~2種類に絞る、会計科目を事業開始時にしっかりと整理しむやみに増やさない、会計ソフトとの連携先も必要最小限に留める、といった「減らす設計」が重要です。「何を加えるか」より「何を減らせるか」を先に考えることで、より早く、確実に機能するシンプルな仕組みを構築できます。
  • キャッシュレス決済の種類を絞る: 管理の手間を減らし、混乱を防ぎます。主要な1〜2種類に集中しましょう。
  • 会計科目を初期に整理: 後からの修正は大変です。事業内容に合わせて最小限かつ適切な科目を設定します。
  • 会計ソフト連携は最小限に: 自動連携は便利ですが、連携先が多いと問題発生時の原因特定が難しくなります。

「減らす設計の重要性」の要点

多数のツール導入は複雑化を招きます。キャッシュレス決済の種類、会計科目、ソフト連携先を絞る「減らす設計」が、シンプルで確実な業務フローの鍵です。これにより、管理コストと混乱を避けられます。

「時代の速さ」と「現場の現実」のギャップを埋めるには

1分間に6.5万回ものキャッシュレス決済が行われる現代で、「とりあえず現金管理で」という旧来の感覚では、あっという間に業務が追いつかなくなります。特に創業直後は、売上管理、領収書整理、請求書発行など、日々こなすべき会計業務が山積みです。この「仕組みと現実のギャップ」を放置すると、事業の成長を妨げる要因になりかねません。このギャップを埋めるためには、事業開始の初期段階で業務フローと会計設計を一体として計画し、定期的にその運用方法を見直す習慣を持つこと、そして可能であれば経験豊富な専門家と共にその仕組みを構築していくことが、非常に効果的です。

「ギャップを埋める方法」の要点

デジタル化の速さと創業期の多忙さの間にはギャップが生じがちです。業務フローと会計設計を初期にセットで考え、定期的に見直し、専門家の力も借りることが、このギャップを埋めるために重要です。

創業期に「何を減らせばいいか」を見極める難しさ

いざ事業を始めてみると、「この作業は本当に必要なのか?」「もっと効率的な方法はないか?」といった疑問が次々と湧いてくるものです。しかし、創業初期の忙しさの中で、何が本当に重要で、何を「減らすべき」なのかを判断するのは容易ではありません。特に会計に関しては、後々の税務申告や経営判断にも影響するため、初期設定が肝心です。例えば、どのキャッシュレス決済を導入し、それを会計ソフトとどう連携させるか、日々の取引をどのようなルール(仕訳)で記録していくかなど、専門的な知識が求められる場面も少なくありません。

「減らすことの見極め」の要点

創業期は目の前の業務に追われ、「減らすべきこと」の判断が難しいものです。会計の初期設定は将来に大きく影響するため、専門知識が求められる場面も多く、独力での対応には限界があります。

専門家と共に、最適な会計フローを構築する

「減らすべきこと」がわからない、設定でつまずいている、仕訳のルールが複雑で理解できない──。そうした創業者特有の悩みに応えるため、当事務所ではクラウド会計導入の支援を行っています。具体的には、お客様の業種や事業規模に合わせた仕訳ルールの初期設計、導入するキャッシュレス決済手段と会計ソフトのスムーズな連携設定、そして日々の経理業務が無理なく継続できるような運用フローの構築まで、経験豊富なスタッフが伴走しながらサポートします。専門家と共に最適な仕組みを作ることで、創業者は本来注力すべき事業活動に集中できます。
  • 業種・事業内容に応じた仕訳の初期設計: あなたのビジネスに最適な会計処理の土台を作ります。
  • キャッシュレス手段と会計ソフトのスムーズな接続: 煩雑な設定作業もお任せください。
  • 日々の経理を“自然に回せる”運用フローの構築: 無理なく継続できる仕組み作りを支援します。

「専門家活用のメリット」の要点

専門家は、業種に合った仕訳設計、キャッシュレスと会計ソフトの連携、持続可能な経理フロー構築を支援します。これにより、創業者は会計の悩みから解放され、本業に専念できます。
この記事のまとめ
2024年にキャッシュレス決済比率42.8%を達成。創業には迅速な対応が不可欠です。会計業務は「減らす設計」でシンプルにし、初期段階で専門家と共に最適な仕組みを構築することが、事業成功の鍵となります。

FAQ:創業期の会計に関するよくある質問

Q: なぜ創業時に会計をシンプルにすることが重要なのですか?
A: 創業初期はリソースが限られています。会計業務をシンプルにすることで、時間とコストを節約し、経営判断に必要な情報を素早く把握できるようになります。また、将来の事業拡大にも柔軟に対応できる基盤ができます。
Q: どのキャッシュレス決済サービスを選べば良いですか?
A: 主要な顧客層が利用するサービスや、手数料、導入・運用コスト、会計ソフトとの連携のしやすさなどを総合的に比較検討し、自社の事業規模や業態に合わせて1~2種類に絞るのがおすすめです。
Q: 会計ソフトの導入や設定は自分でもできますか?
A: 基本的な導入や設定は可能ですが、事業の特性に合わせた勘定科目の設定や、効率的な運用フローの構築には専門的な知識が役立ちます。初期設定の誤りは後々修正が大変になるため、不安な場合は専門家への相談を検討しましょう。
Q: 「減らす設計」とは具体的にどういうことですか?
A: 業務プロセスや使用するツール、管理項目などを必要最小限に絞り込むことです。例えば、会計においては、使用するキャッシュレス決済の種類を限定する、会計科目を増やしすぎない、連携するサービスを厳選するなど、シンプルさを追求することで管理を容易にし、ミスを減らします。

参考文献

経理・税務のDX化でお困りなら、まずはお気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

佐治 英樹(さじ ひでき)税理士 (名古屋税理士会 税理士番号:113665号), 行政書士 (愛知県行政書士会:11191178号), 宅地建物取引士(宅地建物取引士愛知:063293号), AFP (日本FP協会)
「 税理士業はサービス業 」 をモットーに、日々サービスの向上に精力的に取り組む。
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。
wave